②ロレックス 31系の進化型 Cal.3186編 三条河原町店
みなさまこんにちは、チケット&ブランドリサイクルトーカイ三条河原町店の坪井です。
前回のブログでは、ロレックスの時計がいかに精度が高く耐久性に優れているかを書きましたが今回はなぜ精度が高く耐久性に優れているのか、それにはしっかりした理由がある点について書きたいと思います。
今回も中身です。なんといっても中の機械が素晴らしいのです。
この機械を眺めているだけでお酒が進みそうです。
ロレックスの品質に対する追求の高さにより堅牢性、耐久性、精度の高さを伺うことができるのが自社設計、自社製造によるムーブメントです。
ピックアップさせていただきましたのはロレックスのムーブメント、キャリバーCal.3186です。
搭載機種はGMTマスターⅡ、後期のエクスプローラーⅡです。
以上の搭載機種からもわかる通りCal.3186は4針モデルに搭載されているキャリバーです。
キャリバーCal.3186の登場は2005年です。搭載機種はGMTマスターⅡ(Ref.16570、Ref.116710LN、Ref.116710BLNR、Ref.16710、Ref.116713LN、Ref.16713、Ref.116718LN、Ref.16718)後期のエクスプローラーⅡ(Ref.16570)です。
Cal.3186がそれまでのCal.3185から変更になっている点は主にパラクロムヒゲゼンマイと短針送り機構の2つです。
【これはすごい!パラクロムヒゲゼンマイ】
まずヒゲゼンマイとは・・・なんですが、ヒゲゼンマイは時計の心臓部であるテンプを構成するパーツの一部でヒゲゼンマイが伸縮を繰り返すことにより正確な時間が刻まれます。ヒゲゼンマイは精度を決める重要な部品の一つであり製造するには成形、熱処理などの工程に高度な技術を要します。時計の精度を決めるとまで言われているヒゲゼンマイ。一部のトップメーカーにしか製造ができないのも納得です。
鮮やかなブルーのヒゲゼンマイは自社でヒゲゼンマイを開発するロレックスならではのこれまでの常識を変えるほどの画期的な発明と言われています。Nb(ニオブ)とHf(ハフニウム)との合金素材で構成され、従来のヒゲゼンマイの約10倍の耐久性を持つと言われています。このパラクロムヒゲゼンマイの開発に要した期間は5年間であることも驚きです。見た目的にも美しいブルーが特徴です。美しい見た目のみならず、湿度変化に強く他社のヒゲゼンマイよりも耐磁性に優れていることが特徴です。因みにこの美しいブルーは見た目を意識したものではなく耐久性向上の為の焼による酸化膜とのことです。
【マイクロステラナット】
テンプ部分にありますマイクロステラナットはテンワの内側にある大小一対づつの4つの重りのことを言います。ナット状のゴールドスクリューを回しそれぞれの比重を変えることで高精度の調整が実現可能となりました。
【短針送り機構の大きな変更】
※写真が用意できればよかったのですが今回写真はありません。
メリットは針のズレを軽減、どの位置でも4本の針が揃いやすくなった点です。その他金属疲労による折れ等を防ぐために歯車、バネなどの金属部分は材質、形状ともに改良されました。
世界的に高品質なムーブメントを作り上げてもさらに改良を重ね新しいモデルを開発、生産するロレックスは本当にすごいですね。
以下はCal.31系に見られる部品、装飾技法です。
【テンプを支えるダブルブリッジ】
【ペラルージュ装飾技法】
円が重なっているといいましょうか、まるで魚のウロコのような模様、これをペラルージュ装飾技法というのですがこの技法はものすごい手間暇がかかっています。ですが実際は見えない位置、または位置により少しだけ見えるような印象を受けます。裏スケでもないのにかかわらず、外からでは見えない部分に見ることができるペラルージュ仕上げには高度な技術、高級感を感じますね。私、ここよく見てしまいます。
【31石の人工ルビー】
時計の文字盤やベゼルにダイヤやルビー、サファイアが使われているモデルを見かけることがあるかと思いますが今回は外見ではなく時計内部に使われている石の紹介です。ロレックスのキャリバーに見ることができる「31JEWELS」という文字。これは人工ルビーが31石使われていることを意味します。時計機械の歯車やテンプの軸が入る部分に人工ルビーが使われています。人工ルビーは摩耗を防ぐために使用されており、硬度の高い人工ルビーが適しているのです。手巻き時計に比べ歯車の多い自動巻き時計の方が多く石が使われています。石数が多い=高級というイメージになりますが、最近では安価の時計でも石数の多いものを見かけることもありますので必ずしも石数の多さがハイグレード品に直結するとは限らないようです。
いかがでしたでしょうか。
職人さんの高い技術は見れば見るほど、知れば知るほど好きになってしまいますね。
最後にお買取りの告知です。
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